活動報告ブログ

2011年3月10日

『3ない議会』報道に対して

平成23年2月12、17、27日、3月9日付け朝日新聞掲載「3ない議会」記事に対して、兵庫県議会自民党議員団の意見をここに開示します。

 

 

まず、掲載されていた朝日新聞記事の内容を要約しますと、

………………………………………………………………………………

・朝日新聞の全国自治体議会アンケート結果

「丸のみ」(首長提出議案を4年間で一本も修正や否決していない)議会・・50%

「無提案」(議員提案の政策条例が一つもない)議会・・91%

「非公開」(議員個人の議案への賛否を明らかにしない)議会・・84%

 

いずれにも当てはまる「3ない議会」は全体の3分の1に及ぶ。こんな議会のていたらくがはっきりした。

 

・データから浮かんだのは、

首長との良好な関係の維持には腐心するのに、住民とは向き合おうとしない 議員たちの姿。二元代表制が名ばかりに見える。

 

原因①:議員の怠慢と時代認識の欠如。行政への口利き役をしていれば仕事をしたと言われた時代では、もはやない。

原因②:有権者の無関心。議員も、その仕事の中身もわからない 別にそれでも困らない。議会無視の先には「議会不要論」もやって来るだろう。

・・…………………………………………………………………………………………… 

以上が主な論旨です。

 

新聞記事の論調は、知事提出議案に対する否決・修正件数、議員提案条例の件数、そして議案への賛否の公表の有無の3つの指標をもって、いかにも地方議会が何もしていないかのような印象を与えるものとなっており、次の視点から、一面的な部分だけを捉えた指標で議会の活性化や改革度を判定するのは不適当と考えます。

 

(1) 丸のみ議会(首長提出議案を4年間で一本も修正や否決していない) 

議案が否決又は修正される原因は、議案に不備がある場合であり、内容が適切な議案であれば、否決・修正される理由はないはずです。

 

もし、知事提出議案に対する否決・修正件数が多いほど良い議会となれば、すべての議案を否決・修正すれば、一番良い議会となるわけです。

 

知事と議会は対立していれば良いというものではなく、政策立案段階から知事と議会が議論を重ねて具体化するプロセスも重要であり、要は、議案の作成や審議が的確に行われたかどうかが問題であって、否決・修正の件数で議会の良し悪しを判定することは適当ではありません。

 

(2) 無提案議会(議員提案の政策条例が一つもない) 

そもそも、条例はその制定自体が目的ではなく、住民福祉のため、実効性をいかに発揮するかが重要であって、その提案が知事なのか議員なのかは問題ではないはずです。

 

条例成立後の具体的な執行は知事当局となることを踏まえれば、県議会が知事当局と連携する中で、条例制定の必要性を説明し、知事当局に議案提出を提言する方がむしろ条例の実効性が最大限発揮されると考えます。この場合、条例提出のきっかけは議会であっても、提出者は知事となります。

 

実効性をもつ条例案を提案することの困難さは、一般に議員提案条例の提出件数が多く、評価が高いといわれている地方議会でも、その大半が、心構えのみを唱える「理念条例」と言わざるを得ないことからも明らかです。

 

(3) 非公開議会(議員個人の議案への賛否を明らかにしない) 

議案のタイトルとその○×だけの表面的な掲載では、議案に対する態度を正確に把握することは困難です。とりわけ、請願には複数の願意が含まれることが多く、採択の賛否の結果だけをみても、何に賛同し、何に賛同できないのかが判断できず、県民に誤解を与える可能性があることから、単純な掲載には慎重にならざるを得ません。

 

実際の議案はもとより、常任委員会での質疑や本会議での議案に対する討論など、公開されている会議録や録画配信により確認できますが、県議会への関心を更に高めるためには、県民に対して、迅速に、よりわかりやすく周知しなければならず、議会審議のさらなる可視化について検討する必要があります。

 

なお、マスコミは、統一地方選前や政調費等がオンブズマンに指摘された際などには熱心に取材されますが、通常の議員活動にはあまり興味を示されず、真に地方議会の活動実態を理解されているかは疑問に思うところであります。先入観にとらわれず、表層だけでなく真の活動実態への取材を通じて、的確な報道を行ってほしいものです。

 

自民党県議団の取組 

私たち自民党議員団は、県下各地域から選出された46人の議員が日常の活動からくみ上げた多様な住民意見や要望をしっかり把握し、いかに県政に反映させるか、さらには県民目線でいかに執行機関への監視機能を発揮していくかが重要であるとの認識の下で、例えば、議案が本会議に提出されるまでの間には、様々な機会を捉え、是々非々で知事当局と議論を繰り返しています。

 

また、条例の実効性が最大限発揮されるには、条例制定後の執行機関となる知事当局等との連携・協力が不可欠であることから、必ずしも議員提案に固執することなく、本会議での質問等を通じ、「暴力団排除条例」や「健康づくり条例」の制定を知事当局に提案し、その具体的内容についても、県民目線で大いに議論し、知事当局に意見してきました。

 

一方、平成18年、自民党議員団若手議員を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、従来、議会の議決対象ではなかった「21世紀兵庫長期ビジョン」などの基本計画を議会審議の対象とすべく、「県行政に係る基本的な計画の議決等に関する条例」(基本計画条例)を議員提案し、議決しました。当初、当局は慎重な姿勢であったものの、基本計画は県民生活に多大な影響を及ぼすため、その必要性について議論を深め、理解を得て議員提案に至りました。その後も審議対象計画を追加し、現在も基本計画策定時には活発な議論が展開されています。

 

特に「ひょうご教育創造プラン」の策定時には、自民党県議団の意見と当局の意見が対立し、提案時期を延期してまで議論を繰り返しました。

 

その後も、この「ひょうご教育創造プラン」に基づき、学力・体力の向上対策等はもとより、道徳教育副読本の作成・県下全小中学生への個人配布を提言し、その実現に繋げました。

 

 また、今回の「第2次行革プラン」の策定に際しては、自民党議員団内に検討委員会を立ち上げ、3つのワーキングチームを中心に現地調査や関係団体との意見交換も交えながら、延べ32回にわたり議論を重ね、本会議や行革特別委員会を通じて意見し、平成23年2月定例会に提案された「第2次行革プラン」に概ね反映されました。

 

特に、頑張る県民や地域を応援し、県民が元気を取り戻す温かい施策展開を図ることが不可欠であると意見し、これを受けて、平成23年度当初予算案に「地域の夢推進事業」が新たに創設されました。

  

以上のようなプロセスは一般県民に伝わりにくいこともあり、統一地方選挙後の新体制において、新たに県議団内に「広報室」を設置するなどして、県議会でのわが会派の取組を県民にわかりやすく情報発信できる手法を検討し、実施してきます。

  

兵庫県議会としても、さらなる議会改革への取組として、その改革の理念や内容を具体化するため、議会のあり方や議員の責務等を定めた議会基本条例の制定及び議会審議のさらなる可視化について検討を進める必要があると考え、この旨、議長に提案もしています。

 

以下、具体的取組の一端を例示します。

例示その1(翌年度当初予算編成に対しての関わり方) 

 政務調査会の開催(8月上旬)

当該年度の県主要事業の進捗状況等について、県庁内の全部局から説明を受け、質疑を行い、当面する県政課題を整理します。

 各種友好団体との意見交換会の開催(8月下旬)

農業、中小企業、福祉、教育など各分野にわたる約60団体から、各団体が当面抱えている課題や要望を聴取し、自民党議員団として県当局に提言する内容を整理します。

 知事への重要政策提言(9月中旬)

上記①、②及び各議員の地元での住民意見や要望を踏まえ、翌年度の県政の基本的方向性や重点的に取り組むべき項目、具体的な新規施策などを重要政策提言としてまとめ、課題解決を図るよう、知事に要請します。

 翌年度当初予算編成に対する申し入れ(11月中旬)

上記③をさらに具現化し、部局別(企画県民、健康福祉、産業労働、農政環境、県土整備、教育、警察など)に県政課題を詳細に整理し、翌年度当初予算に反映するよう、知事に対し申し入れます。

 政務調査会の開催(1月上旬)

当初予算編成における重要施策や新規施策等について、県庁内の全部局から説明を受け、上記③、④の課題解決に繋がる施策となっているか等についてチェックするとともに、より良い施策展開について議論します。

   このほか、本会議における代表質問や一般質問はもとより、毎月開催する常任委員会などを含め、本会議に上程される議案が最終決定されるまでの間、様々な機会を捉え、私たち議員の意見を表明し、議論しています。

   2月定例会おいて、上程議案に対する最終審議を経て、採決します。

 

以上のような情報交換を通じて、県民の意見を適宜適切に県政に反映しています。

 

例示その2(「健康づくり条例」制定に際して) 

 全国的な取り組み

国において、口腔保健法の制定に向けた議論が進む中、日本歯科医師会の提案もあり、全国的に議員提案による「歯と口腔の健康づくり条例」等の制定が活発に行われました。

 「健康づくり条例」制定を知事当局に要請

自民党議員団としても、「歯と口腔の健康づくり条例」を議員提案すべく、政務調査会を中心に議論した。条例の内容は、県及び市町での歯科保健計画の策定、県民運動などによる普及啓発が主な内容となるが、本県では平成20年度時点において、既に38市町が健康増進計画を策定し、そのすべてに歯の健康が盛り込まれていることから、歯のみの健康条例の制定は見送ることとしました。

その後も協議を重ね、「歯・口腔の健康」とあわせ、「生活習慣病予防」や自殺予防対策を考慮した「こころの健康」を含む健康づくり全般に係る条例を制定し、県民の健康意識向上のための各般の取組を総合的、計画的に推進するのが効果的との結論を導きだし、平成22年6月定例会代表質問で、その旨を知事に質しました。

 実効ある「健康づくり条例」の制定

その後も、政務調査会を中心に、医師会や歯科医師会等と意見交換しつつ、知事当局と協議を重ねた結果、わが会派の意見も概ね取り入れた「健康づくり条例」が今2月定例会に上程されました。

 

なお、この「健康づくり条例」を実効あるものとするためには、今後策定される基本計画が極めて重要となることから、この基本計画を「基本計画条例」の審議対象計画に位置づけ、基本目標や基本方針などについて、協議、議論していく予定です。

 

例示その3(「ひょうご教育創造プラン」策定に際して) 

 教育基本法の改正

平成18年12月、当時の安倍内閣において、教育基本法が約60年ぶりに改正されました。

改正教育基本法には、国と郷土を愛することをはじめ、伝統と文化の尊重、公共の精神などが盛り込まれ、県においては国の計画を参酌し、県計画の策定に努めることとされました。

 基本計画条例の議決対象計画に位置づけ

この改正教育基本法を受け、県では教育振興基本計画を平成20年度中に策定するとされたことから、平成20年12月の議会運営委員会において、この教育振興基本計画を「基本計画条例」(平成18年3月 議員提案により制定)の議決対象計画に位置づけることに決定しました。

 改正教育基本法の理念を盛り込んだ教育振興基本計画の策定

自民党議員団としては、この教育振興基本計画は今後の兵庫県教育の指針となり得るとの思いから、政務調査会文教部会を中心に、国と郷土を愛することをはじめ、伝統と文化の尊重、公共の精神などといった新たに規定された教育基本法の理念をどのように明文化し具体化すべきか、などについて協議を重ね、基本的な理念、目標、各分野ごとの施策の展開方向等について、県当局に提言しました。

本会議への上程時期の延期

県当局においては、わが会派の提言を重く受けとめ、さらに計画内容の見直しがなされ、結果として平成21年2月定例会への上程には間に合わず、平成21年6月定例会に「ひょうご教育創造プラン」として上程され、議決しました。

 

以上、自民党議員団の取り組み・例示1~3を通じて、我々の議員活動を説明させていただきました。本会議場等の表舞台には出にくい、議会の存在意義について、少しでもご理解いただければ幸いです。


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